ジョージ・ネルソン展
- 2014.8.20
20世紀後半のアメリカのデザインを定義づけたデザイナーのひとり、ジョージ・ネルソン氏の展覧会が目黒区美術館で開催されています。
長くアメリカのハーマンミラー社のデザインディレクターを務めたネルソン氏は、イームズ夫妻やアレキサンダー・ジラード氏、イサム・ノグチ氏らの優れた仕事を導いて、戦後のアメリカン・デザインの確立に大きく関わりました。
この展覧会のサブタイトルが表すように様々な顔を持っており、違った視点からネルソン氏とネルソン事務所スタッフがつくり出した作品やデザインを感じることができる展覧会となっています。
ハーマン・ミラー社の家具、ハーワード・ミラー社のデザインクロックをはじめ、ネルソン氏とネルソン事務所スタッフのデザインは、今でも世界中で愛され、多くの人々やデザイナーにも影響を与えてきました。
マシュマロ・ソファ、ココナッツ・チェア、バブル・ランプ、スワッグレッグ・チェアなど、
使う側にとって必要な機能とデザインを掛け合わせたオフィス家具、
壁の厚みに注目しそこに扉を付けることから考案したコンパクトな収納家具など
ネルソン氏の仕事に対する姿勢やデザインに対する哲学を感じます。
ハワード・ミラー社で手がけたデザインクロックは、人々の日常の行動や習慣より、壁時計は時間を知る第1のツールではなくインテリアのひとつだという考え方より生まれたデザインです。収納家具をデザインしたシンプルさの追求とは異なり、遊び心あるデザイン。しかし文字盤をなくし全て同一のパーツを使用するなど合理主義のネルソン氏らしい一面も取り入れていました。
ジョージ・ネルソン氏は、1957年に訪れひと月を過ごした日本とも強いつながりがあり、その期間以外にも、何度か日本を訪問し、インスピレーションを受けてきました。ネルソン氏と日本との関係についても大変興味深い内容となっています。
「ジョージ・ネルソン展
ー建築家、ライター、デザイナー、教育者」
■会場:目黒区美術館
http://mmat.jp/
■会期:2014年7月15日(火)~9月18日(木)
※休館日=毎週月曜日、月曜日が祝休日の場合はその翌日
■開園時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)