「絆」-small table- vol.2      INTERVIEW 2-2

  • 2012.9.8

「最近明るい雰囲気の家って多くなってきてて。白い壁で、自然光が入ってきて、そこにナチュラルな素材をアンティークなものと一緒に置いたりとか。そこに馴染むようにしたくて。一番最初に東北にある家具を作る工場に行った時に、うちにいますごくいいブナがあるんですっていう話になって、それであの木を選んだんです。まぁ僕が白木を好きだっていうのもありますけど(笑)」

 

ここ数年、安価でデザインがそこそこいい家具が出回っている。それに対して1点1点しっかりと作られた家具はどうしても高価で、手が出しにくい現状がある。こういった時代の流れにデザイナーとしてどう思うのか。

 

「今ものを長く使おうって時代だから、そう言う家具が売れだして5〜6年たったのかな、大量生産で出回ったものが壊れ始める頃だと思うんですよ。そこでみんな、こういう家具ってどうなんだろうって思い始めるんじゃないかと。一つのものを長く使おうってなったらsmalltableの大量生産にはない良さっていうのに気づいてもらえるんじゃないかなと思うんです。」

 

ちょっと捻くれた意見を言えば、安いものにそれでも手が伸びてしまう現実は中々変えがたい。世の中の不況を思えばなおさら。

 

「大量生産家具が飛ぶように売れたことのひとつに、露出が多かった事もあるんですよ。多く目に入ってくるから手を出しやすい。これからsmalltableもいろいろ打出していこうって企画もあるんです。どんなものでも、まず見てもらわなければ始まらない。」

 

TVのCMや雑誌で値段と家具が大きく宣伝される大量生産家具、そのコンセプトもわかりやすいものが多い。見てもらうだけで始まるものなのか。

 

「知っているのと知らないのでは全然ちがいますから。それに1点ずつ作られた家具っていうのは長持ちするってだけじゃなくて、ちゃんと考えられててお金もかけられて作ってますよね。」

 

そこを知らない人がとても多いことを踏まえながら、熊野さんはこう締めくくった。

 

「理想は、使って頂いて、それを徐々に感じていってもらえればと。僕は、そういった説明無しに良いって思ってもらえる家具を作っていきたいって思うんです。この商品を見て、一度座ってみて「あ、いいな」って思ってもらえる様なイスとかソファを作っていきたいなと。それで座ってみて、座り心地良くて、長く使えるんならサイコーじゃないですか」

 

デザイナーとスタッフと工場の方とみんなのこだわりが込められた家具。smalltableは60年以上前の名作から生まれかわったという、そんなお話。

 
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